ご出身の地元に戻りクリニックを開業されるタイミングで、先生よりご依頼をいただきました。もともと鍼灸院として使われていた建物を歯科医院へと改修する計画です。ハウスメーカーの型式認定鉄骨造であったため、柱や筋交いは既存のままの位置を踏襲したうえで、歯科として使い勝手のよいプランを構築していきました。

地域の歯科医療サービスの中心として、赤ちゃんからご老人まで家族ぐるみでサポートしたい、という先生の想いをお聞きし「home」というコンセプトをたて、全体のデザインを組み立てていきました。コミュニティの集まりに少しでも寄与できればという思いで、風除室前にはベンチを設けた前庭を計画しています。インテリアは温かみのある檜合板をメインに壁を構成し、既存サッシュの乱雑な見え方を消すために、白いメッシュを挟んだ障子のようなスクリーンで覆いました。なるべく少ない素材でデザインまとめ、雑音のないリラックスした空間となるよう心がけました。