香港建築巡り part2 「建築見学編」です。
前編はこちらから ⇒ 「香港建築巡り part1 街歩き編」
アレコレ書きたいことが多かったこともあり、半年越しの香港編完結です🙇笑
.
.
.
■ 主な見学先
① M+
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
② 大館(Tai Kwun)
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
③ 元創方(PMQ)
改修設計: 香港政府建築署、The Oval Partnership、Billy Tam
④ 香港藝術館(Hong Kong Museum of Art)
設計:Rocco Yim / 厳迅奇
.
.
.
① M+/設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン

今回の旅の大きな目的の一つ、「M+」。
日本から香港に着いて、海老ワンタン麺を食べてから早速向かいました🍜

M+が建つのは、香港・九龍側の西九龍文化地区。
ヴィクトリア・ハーバーに面したこのエリアには、
M+をはじめ、香港故宮文化博物館や劇場など、さまざまな文化施設が集まっています。
海に近い開けた場所に大きく構えるM+ですが、
実際に訪れてみると、周辺にはまだまだ建設途中の場所も多く、
街全体がこれからつくられていくような印象でした。
たまたま入館料が無料の日だったようで、
どんどこ人が建物の中に吸い込まれていきます。

エレベーターで2階へ。
M+の展示は、現代美術だけではなく、
デザインや建築、グラフィック、映像など、扱っているジャンルがとにかく幅広く、
展示室を歩いていると、次々と異なる世界に出会います。

建物を見ていて印象に残ったのが、外装と内装の素材の使い分けです。
外壁を近くで見ると、深い緑色の釉薬タイルが並んでいるのですが、
その一つひとつの断面が筒状になっています。
深い緑色の釉薬と筒状の断面を持つタイル、
どこか竹をモチーフにしているようにも感じました。

建物の内部に入ると、外観とは対照的に、明るい色味の竹材が目に入ってきます。
館内を歩いていて楽しかったのが、細長い窓から見える香港の風景。
M+の内部には、壁面に沿って細長く設けられた窓があり、
そこからヴィクトリア・ハーバーや対岸の香港島を眺めることができます。
休日の昼下がり、港町でそれぞれ思い思いの時間を過ごしている人々の様子を、
少し離れたところから覗き見しているようで。
館内を歩くたびに、ふと窓の外に目を向けたくなるような楽しさがありました。
.
.
.
① 大館(Tai Kwun)/設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン

香港の中心部、中環(セントラル)にある「大館(Tai Kwun)」。
高層ビルが立ち並ぶ街の中に、レンガや石造りの歴史的な建物が残る、少し不思議な場所です。
大館はもともと、警察署や裁判所、刑務所として使われていた場所。
1840年代から続く長い歴史を持ち、
現在はアートや演劇、ショップ、レストランなどが集まる文化施設として生まれ変わっています。

新しくつくられた「JC Contemporary」などは、
昔の建物をそのまま真似るのではなく、現代的なデザインでつくられています。
かつて刑務所だった場所が、多くの人が訪れる開かれた場所に。
以前は人を閉じ込めるための場所だった建物や中庭で、
今では人々が食事をしたり、アートを楽しんだり、イベントに参加したりしています。
きれいに改装されている一方で、
当時のまま保存された裁判所や拘置所、独房の中にも入ることができ、
見るだけではなく、実際にその空間に身を置きながら歴史を体験できるのが印象的でした。

.
.
.
③ 元創方(PMQ)
改修設計: 香港政府建築署、The Oval Partnership、Billy Tam

大館と同じ中環(セントラル)にある「PMQ(元創方)」。
現在は、デザインショップやギャラリー、カフェなどが集まる、
香港のクリエイティブなスポットとして知られています。
もともとは香港初の公立学校があった場所で、
その後は警察官とその家族のための宿舎として使われていました。
長い歴史を持つ建物は一時、取り壊しも検討されたそうですが、
保存・活用されることになり、2014年にPMQとして生まれ変わったそう。
建物を大きく建て替えるのではなく、かつては警察官の住居だった部屋が、
今ではデザインショップやスタジオ、ギャラリーなどとして使われています。
廊下に面した中庭側のスペースまで、お店の一部として使われていました。
建物の内側だけでなく、廊下や中庭との境界までお店の空間として自然に取り込まれていて、
歩いているだけでもそれぞれのお店の個性が感じられます。
古い建物の雰囲気を残しながら、そこに新しいショップやデザインが加わることで、
PMQには独特の活気が生まれていました。
「保存する」のではなく、「使い続ける」。
PMQは、そんな建築の活かし方を身近に感じられる場所でした。

.
.
.
④ 香港藝術館(Hong Kong Museum of Art)/設計:Rocco Yim / 厳迅奇

ヴィクトリア・ハーバー沿いにある「香港藝術館」。
1962年に開館し、現在の場所には1991年に移転、
その後、大規模な改修・増築が行われ、2019年にリニューアルオープンしています。
展示スペースも以前より約40%増えたそう。
館内からヴィクトリア・ハーバーを眺めることができ、外の街や海を感じながら美術館を歩くことができます。
美術館の中だけで完結するのではなく、周囲の風景とのつながりを感じられるのが特徴です。
館内を歩いていてもうひとつ印象に残ったのが、展示室の落ち着いた暗さです。
特にガラスや陶器などの展示品は、周囲の照明を抑えることで、
素材の質感や光の反射がより美しく感じられました。
暗い空間の中で展示品だけがふわっと浮かび上がるように見え、作品に自然と目が向きます。
建物そのものだけでなく、
「どう見せるか」という照明や展示空間のつくり方も、
美術館建築として作品の印象を大きく左右するのだと改めて感じました。
海や街に開かれた明るい空間と、作品と静かに向き合うための落ち着いた展示室。
その対比も、香港藝術館を訪れて感じた魅力のひとつとなりました。
.
.
.
3月前半の香港旅は、カラッとした涼しさで心地良く、
一日二万歩以上歩きました🚶
これまで訪れたことのあるアジアの国とはどこか違う香港。
150年の英国統治が残した西洋文化と、狭いアジアの路地に息づくディープな下町情緒。
この新旧東西の歴史が混ざった唯一無二の景色が、
香港だけの独特な空気感を作っているのかな、と思いました。
胡麻の風味が効いた担々麺が最高に美味しかったです、、!👼

Kumazawa






































