大阪市内に建つ6階建てビルの5階1フロアを、ビルオーナー様ご夫婦のための住まいにフルリノベーションするご相談を頂きました。
オフィスと賃貸住宅が複合するビルで、インフラ設備や共用動線の整理も伴ったプランニングが求められました。
東西南北すべてに開口部をもつワンフロア全面改装ということで、都心にありながらも平屋のような伸びやかな快適性をもつ住まいを目指しました。
解体を終え現状確認した際にまず考えたのは、過去の設計基準のままであった躯体・開口部の断熱性能、床の遮音性能を上げるなど機能性の向上でした。
壁・天井の外皮面の硬質ウレタンを吹き増し、開口部はLow-e複層ガラスへ交換し飛躍的に断熱性能を上げています。
床は全面乾式2重床として、LH・LLとも現代の基準を確保し、将来の下階住民との騒音リスクを回避しました。
プランニングでは効率的で無駄のない家事動線と生活動線に配慮し、サニタリーを中心に主寝室とキッチンへ2way動線を確保したことで、20坪弱の専有区画ながら行き止まりのない広々とした空間となっています。
開口部の位置、光・風の抜けも注意深く検証し、どこにいても視線が奥へ奥へと延びていくような広がりが得られました。
鏝ムラのニュアンスが美しいドイツ漆喰・モルタルの左官壁、ほんのりと白染色を施すことで肌色に近い色味を得たカラ松の無垢フローリング、踏み心地の心地よいウールカーペットなど、目と手に触れる素材一つ一つにこだわり、街中の住まいながらも、ゆったりと時が流れるような寛げる住まいを目指しました。
WORKS設計実績/事例
本町のリノベーション
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