兵庫県丹波地方の内陸部に位置している500坪の敷地に対して、ご夫婦お二人の為の平屋の住まいをご依頼いただきました。
振り返ると、完成までの道のりは、ほぼ庭をどうつくるかを考えるプロセスだったと言えます。
平坦地で平屋という条件下で、道路側からの目線をかわしながらどのように視線の抜けをつくるか、ということがプランを導き出す手掛かりとなりました。
まず、開放的な庭側へ道路との境にRCの塀を立て、道路からの目線をシャットアウト。
そして、向かいにある2階建ての共同住宅の2階からの目線は日中は反射で室内は見えないが夜は見えるため、少しロールスクリーンを下すことで遮ることが出来ます。
建物を広い敷地のほぼ中央に置くことで、南と北の両方にほぼ同等の広さの外部空間を確保できることになります。
リビングから南と北、両方の庭に対して大きな開口部により開放的な設えとなっており、リビングを介して南北の敷地が繋がって感じられ、敷地の広さを最大限享受できる配置となっています。
南側の庭には築山を設け、その頂き付近には広い環境で育った枝ぶりの良い梅の木だけを植樹。
白壁を背景として、シンプルながら変化のある、広さを生かしたランドスケープを形成しています。
このように室内から見える植栽はシンプルですが、カーポートから玄関へ至る屋根付きのアプローチ脇の植栽帯は、外出、帰宅するたびに季節感を感じられるよう、様々な時期に花や葉が色付く樹種を多く植えてもらいました。