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ソウル建築巡り 前編

// 2025.Oct.07

ソウル建築巡り 前編

// 2025.Oct.07


韓国・ソウルへ、建築と美味しいものを巡る旅に行ってきました。
15年ぶりに訪れたソウル。
現代的なビル群と昔ながらの建物や市場が混ざり合う、独特の雰囲気がそのまま残る街でした。
当時高校生だった自分が感じ取れなかった街の魅力もお届けできたらと思います。




■ 主な見学先

東大門デザインプラザ
(ザハ・ハディド)
동대문디자인플라자(DDP)


西小門聖地 歴史博物館
(Interkerd Architects、VOID Architects、LESS Architects)
Seosomun Shrine History Museum


リウム美術館
(マリオ・ボッタ、レム・コールハウス、ジャン・ヌーヴェル)
Leeum Museum of Art


D&DEPARTMENT SEOUL
※2025年7月26日(日)をもって閉店されたそうです(◎_◎;)









① 東大門デザインプラザ(ザハ・ハディド)



初めてザハ・ハディド建築を見学しました。
ソウルの街中に、巨大な宇宙船が降り立ったようなインパクト大な施設。

4つの機能を、建築とランドスケープでゆるやかに繋いでいます。

■ アートホール(催事場)
■ ミュージアム(デザインの発信地)
■ デザインラボ(ビジネス拠点)
■ デザインマーケット(ショッピングエリア)



夜だったので外部だけの見学でしたが、西から東側へ渡りたかったので、
トンネル状になっている建物の下を通過します。


「屋根が壁となり、壁が屋根となる」——
そのかたちの中に、力強さと同時に、街の人々に寄り添う優しさが感じられる建築でした。
ランドスケープのように大地に広がり、有機的なフォルムと、不規則に灯る光が、まるで生き物のよう。


敷地の東側には公園が広がり、
建築とランドスケープの境界は、ゆるやかに溶け合っています。
緩やかなスロープが高低差をつなぎ、地形に寄り添うように計画された穏やかな設えの中で、
訪れた人それぞれが心地よい場所を見つけて、思い思いに時間を過ごしているのが印象的でした。








② 西小門聖地 歴史博物館
(Interkerd Architects、VOID Architects、LESS Architects)

ソウル駅のすぐ近くにある、西小門(ソソムン/서소문)。
かつては重罪人の処刑場であり、朝鮮時代後期には多くの宗教者や改革思想家がこの地で命を落としました。
その後、西小門は韓国カトリック最大の殉教地として記憶される場所となります。

建築だけでなく、ソウルという街の成り立ちや歴史にも興味があり訪れてみました。



現在も稼働されている礼拝堂やコミュニティ施設の他に、
常設展示、企画展示、記憶を刻むオブジェ、メディアアートを備えた複合施設です。
この建築は、地下4階から地上1階までの構成で、
もともと存在していた地下駐車場の構造を一部活かしつつ、
そこに展示空間と礼拝・記憶の場を重ねています。


利用者は順を追って地上から地下、地下から地上へ暗から明へと歩みを進めることで、
内省と回想のプロセスを身体で体験できます。





最も印象的だったのは地下3階にある「天空広場」。
地上の空とゆるやかにつながる吹き抜け構造で、
天と地とを一線に結ぶ空間設計は、ここで命を捧げられた人々への敬意を感じさせます。

心細くなるような暗い坂道を上った先に、約33m幅・18m高さの空間が広がります。
壁に囲まれつつ空へと開いており、
地下から地上へ、過去から未来へと思いを馳せるための“光と空間の橋渡し”的な場所となっています。

静謐さと厳粛さ。
訪れる人に、当時抑圧されていた人々の思いへと静かに向き合わせてくれる空間でした。




建物内に戻り、カトリック教徒の迫害の歴史を辿る展示室へ。


展示空間は、ひと続きの地下の層の中に構成されており、
構造体そのものが展示の一部として機能しています。
仕上げを最小限に抑えた打放しコンクリートと赤レンガの組み合わせが、
空間に原初的な質感と、時の蓄積を感じさせていました。



“記憶を刻むモノとしての建築”
装飾ではなく素材・構造・光のコントラストによって形作られており、
悲しみを伝えるだけでなく、
建築そのものが「祈り」と「記憶の継承」を形にした空間でした。










③ リウム美術館(マリオ・ボッタ、ジャン・ヌーヴェル、レム・コールハウス

④ D&DEPARTMENT SEOUL


は次の記事にて 𓎤𓅮 ⸒⸒






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