阪神電鉄尼崎駅より徒歩6分の立地ながら、敷地の目の前には再建された尼崎城と大きな芝生広場のある公園を望む開放的な環境に建つテナント複合型レジデンスです。
立地特性からも単一の住居だけではなく、飲食テナントやレッスンスタジオなども誘致し、コミュニティー豊かな公園前の暮らしが営めるような建築を期待されました。

住む側の世帯特性が単一化しないよう、25㎡の単身世帯と40㎡のファミリー世帯を混在させ、貸テナントもパン屋さん、お花屋さん、サロン、クリニック、スタジオなど暮らしに彩りを添えるような業態を想定し、建築一次側の設備も設計しています。

建物が公園の樹木と意識的につながっていく緑の帯をイメージし、外壁面をセットバックさせて緑豊かな軒下テラスをつくりました。
各テラスには風に揺れる植栽や豊かな影を落とす木漏れ陽が、暮らしと自然との接点を作り出しています。
また隣には大型のシェアハウスもあり、テナント1階のオープンスペースでは国内外の交流の場として賑わいも期待されます。

建物の外観は、植栽の成長とともに経年で美しく古美ていく様を目指して、多孔質な凹凸のある吹付塗材と自然なムラ感をもつ打放しコンクリートを組み合わせています。

この建築を起点にして、尼崎城前のエリアが少しずつ活性していくことを祈っています。