天王寺駅から北東へ徒歩数分、北側を国道に面した敷地に建つ1LDK賃貸集合住宅です。
工事単価高騰のさなか、建設会社様の自社保有プロジェクトにて、設計監理を担いました。

50坪程度の敷地に最大容積400％を消化し、かつ将来にわたって快適な居住性能を確保するプランを模索しました。

現在、敷地の南側は2階建隣家で視界は良好ですが、将来的に同程度の高さまで隣地建物が建つ可能性も踏まえると、南側にただバルコニーを配置するだけでは、将来にわたって空室リスクを回避できないのではと考えました。
そこで北面の広い国道側にもバルコニーを設け、南北二面採光と眺望の抜けを確保するプランを計画しました。

隣戸間はお互いの水回りをまとめ、共用エレベーターも合わせて配置することで、二面バルコニーのプランを成立させています。
界壁が居住スペースに直接面しないので、遮音性を高められるメリットもあります。
また、屋内のエレベーターホールから直接住戸玄関にアクセスできることからプライバシー性能も高く、ホテルのような静かな落ち着きも感じることができる集合住宅となっています。

サッシの防音性や断熱性、壁・床の遮音性、共用部のメンテナンス性、外壁の防汚性、高い天井高やインテリアの質感など、賃貸住宅に求められる性能と居住性を高次元で実現した都市型住居を目指しました。