高槻市の郊外、公園を目の前に望むハウスメーカー規格住宅のリノベーション。
築10年と比較的新しい建物でしたが、お父様がお一人で住まれていたところに、子世帯のご家族が同居されることがきっかけで計画がスタートしました。
室内に柱が出にくいユニット構造の特性を最適化するため、2階は細かく区切られていた壁を取り払い、階段は腰壁で区切ることで視線の抜ける広々としたリビングを実現しました。
唯一室内に残る鉄骨の柱はあえて素地のまま露出させ、この家の歴史や成り立ちを感じられるようにしています。
また、繊細な部材寸法で作られた格子状の壁を適所に配置し、柔らかく空間を分ける役割を与えると共に、階段上にある既存の天窓を活かし、格子によってその光のうつろいを捉えることを試みました。
室内のフローリングとバルコニーのデッキの色目を揃えることでリビングはバルコニーまで拡張され、意識はその先の公園へ向かいます。
リビングには寝室とつながる室内窓を設け、この窓からも寝室の窓外の公園を感じられるようにしています。
親世帯となる1階は、平面プランにはほとんど手を加えず、設えの更新によって新たな空気感を生み出しています。
既存のキッチンを左官で仕上げた腰壁で囲み、キッチンの背面収納は要素を削ぎ落として壁面のように設えました。
リビングの天井はあえて少し下げることで落ち着きを持たせると共に、窓外の庭や公園へ視線が向かうよう配慮しました。
格子を用いた入口建具の両側には、お父様のご実家の山から切り出してきた檜柱を配し、ストーリーと想いが込められた間仕切りとしています。
これからの家族の歴史を刻んでいくに相応しい暮らしの場を目指すと共に、規格住宅改修の可能性の一端を探るプロジェクトとなりました。
WORKS設計実績/事例
公園前のリノベーション
公園前のリノベーション
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