奈良県橿原市で解体工事を主体に事業を展開する、中川組の新社屋です。近隣の既存社屋からの移転にあたり、各部署の執務面積の拡大と、業務の効率化を実現することが計画の大きなテーマとなりました。
コストの合理性から、計画当初より総2階建てのシンプルな形状が求められました。外形は簡潔なボリュームにまとめ、限られた条件のなかで空間の質と建物の性能を高めることに注力しています。
エントランスを入ると、正面にガラス張りの階段ホールが現れます。景色の良い東側へと視線が抜けるこの空間は、来訪者を迎える場であると同時に、日々上下階を行き来する社員にとっても開放感のある場所となっています。
内外装は、社長の好みでもあるシックなダークトーンを基調としました。そこにポイントとして、奈良の色でもある蘇芳色(すおういろ)をイメージした赤を、階段や鉄骨の構造柱に配しています。落ち着いたトーンのなかで、建物を支える柱と人の動きをつなぐ階段が、印象的に浮かび上がります。
平面計画では、部署ごとの執務スペースを拡充しながら、部署間の連携や動線を整理し、日常業務がスムーズに流れる構成としました。2階の大会議室は、関連業者が集まる定例ミーティングから、全社員が一堂に会する全体会議まで対応できる広さを確保し、必要に応じて分割して使用できる計画としています。
解体工事は、環境と直結する事業です。企業としての環境配慮のあり方を示すために、まず本社の建築そのものがエネルギー消費に配慮されたものであることを目指しました。外壁の下地には国産材を使用し、鉄骨造のデメリットとなる熱橋を軽減するとともに、鉄骨造では確保しにくい気密性を高めることで、空調効率の向上を図っています。
株式会社 中川組
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