お子様も独立されたアクティブシニア層ご夫婦からの御依頼でした。 元は2世帯住宅として使われていた大きな邸宅は、水廻りもLDKも2セットずつあり、お二人で住むには広すぎるというのが当初のお悩みでした。
擁壁の上に建つ敷地時条件から、一台しか停められない駐車場の増床や使わない2階の取り扱い等も含め、様々な問題点を洗い出し、大きな方向性を示した数種類の改修パターンを検討、それぞれのメリットデメリットを洗い出した上で、方針を決めていくところからスタートしました。
コスト配分上、擁壁はそのままにした上で、道路側の家屋を基礎構造物と共に減築するプランを軸に改修設計の方向性が定まりました。
基礎構造物を撤去して駐車台数を4台に増設、アプローチ階段も勾配を緩やかに改修しています。アウトドアライフが趣味のご主人のため、元リビングだった部分を外部ガーデンテラスへ減築しています。構造補強を施した上で、柱と屋根は架け替えつつも出来るだけ既存の意匠が残るような設計にしました。
来訪客が多いことから、玄関脇の応接空間は土間リビングとして、半パブリックな空間に改修し薪ストーブを設置。断熱・気密性能も出来る限り確保し、古い家屋ならではの、温熱環境の悪さも改善しています。
所在地:奈良県奈良市
概要:木造2階建て
面積 : 改修部分 約55坪
竣工:2017.9
写真 : 冨田英次