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トヨタモビリティ新大阪小野原店リニューアル
トヨタモビリティ新大阪小野原店リニューアル
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大阪府箕面市の幹線道路沿いに建つ、自動車ショールームのリニューアル工事です。

国道171号線沿いは、カーディーラー・中古車販売店が多数ひしめき合うエリアで、どんどん「新しく/目立つ」店舗に建て替わっています。

そうした環境の中、クライアントはこのエリアの中でも最初期に建ったであろうショールームを”建て替え”ではなく、改装工事で”リニューアル”することによって店舗を生まれ変わらせる、という決断をされました。

改装によりコストを抑え、設計・施工期間を短期間に収めることで店舗運営に与える影響を最小限に抑える目的もありました。

既存建物の道路側に向かって下がった屋根は、奥に向かってスキップしている断面計画に従った合理的な形態です。
そのことにより道路側への建物ヴォリュームは抑えられ、控えめな印象となっています。
道路側へ如何に「目立つか」を第一に考えられた現在主流の商業建築の手法とは異なった価値観で建てられており、時代とともに「外観で目を引く」という競争が進んでいることを感じずにはいられませんでした。

本計画においても「高さ・ヴォリューム」を出すことで目立たせることもご要望としては強かったのですが、建築確認申請を伴う増改築となれば4ヶ月という設計施工のスケジュールには間に合わないことから、申請を必要としない計画内で進める必要がありました。

そこで私たちは、幹線道路のスピード感・直進性から、ドライバーの視界に入った際にさりげなく建物が印象に残るよう、国産杉材による水平ルーバーのスクリーンを提案しました。

はじめに工作物として申請が不要となる高さ4m未満に抑えた鉄骨の構造体を、フィーレンディール架構により計画しました。
自動車の屋外展示を想定して邪魔にならないよう、36mのスパンを飛ばしています。その鉄骨の表面に、防腐処理を施した杉ルーバーを取り付ける構成としています。

既存の控えめなプロポーションのファサードに、控えめな仕掛けを付加することで、まったく新しい建築に生まれ変わらせることが出来たのではないかと思います。

建替えではなく改装としたことでCO2排出量削減効果は大きいと言えますが、ルーバー材でまだまだ一般的なアルミ材で作った場合と杉材とを比較した場合のCO2削減効果も大きいと言えます。また、ルーバーは視覚効果だけではなく夏の日射遮蔽による冷房負荷の削減も担っています。

所在地:大阪府箕面市

工事種別:鉄骨2階建 / 改装工事

用途:自動車ショールーム

延床面積:793.75㎡/240.09坪

竣工:2021.12

ウェブサイト:トヨタモビリティ新大阪小野原店

 

設計:SWING/小泉宙生,姉崎隆介,中島有利恵

構造計画:下山建築設計室/下山

照明計画:ウシオライティング株式会社 / 松川龍史

施工:阿佐建築工務株式会社

写真:Stirling Elmendorf Photography

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