「一過性のイベントではなく、日常の中の心地よいサウナ時間を提供したい」
クライアントからのご要望は、非日常のサウナではなく日々訪れたくなる施設でした。
生活利便施設だからこそ、また来たいと思ってもらえるような特別性をシンプルにデザインすることを心掛け、
人工物で構成される室内空間で、自然にいるときのような心地よさをどのように導入するか模索しました。
JR神戸線高架下の区画内。高架を支える巾1m以上の柱が8本も乱立する中で「森の中に分け入るような」空間体験ができるよう、柱を避けつつ、あえて最も長くなるような通路動線を導きました。
「エントランス」「脱衣エリア」「サウナエリア」「休息エリア」
4つの空間を移動していくことで、徐々に心の深い部分にも分け入っていく、というプランニングです。
香り立つ熊野産檜、吸放質効果の高い栃木産大谷石、美しい緑色の御影石、肌に優しい土壁調左官材など、体に馴染む自然素材をふんだんに用い、明暗に配慮した照明計画や吐水する水音や風の動きなどで“森”の揺らぎを表現することで、サウナにおける瞑想状態と寄り添うような空間を目指しました。
所在地:神戸市東灘区御影
工事種別:新装
用途:会員制サウナ
計画面積:171.19㎡/51.78坪
竣工 : 2023.09
ウェブサイト:ととのうサウナ HIGH BALANCE
設計:SWING/金山大, 熊澤花絵
施工:インフィニティ
照明計画:ウシオライティング
グラフィックデザイン:六景
写真:AMI HARITA