私たちは、「つながりの場を あなたと紡ぐ」 というフィロソフィーを掲げています。
様々なかたちのつながりを考えるとき、木材で建築をつくる意味を考えないわけにはいきません。
とりわけ、国産木材でつくる建築には、「つながる」ポイントがいくつかあります。
・自然とつながる
・地域とつながる
・文化がつながる
■ 自然とつながる
木材は「循環型」の資源です。そこでまず、自然環境と深くつながっています。
伐採したところへ再度植林することで、また森が生まれます。
数十年から数百年のサイクルで繰り返し、使い続けることが出来ます。
また、木材は成長の過程で二酸化炭素を吸収し、自身の中へ固定します。
木は、炭素の塊となって街へ貯蔵されることになるのです。
そうした木を多用した木造建築に意欲的に取り組んでいます。
近年は、個人住宅のみならず、中規模の「施設建築」も、木造とすることが増えています。
成長期に炭素を蓄える木材を都市部へもってくることで二酸化炭素を固定、さらに若い木の成長がより多くの二酸化炭素の吸収につながることから、植林の木を高齢のものから多く使うことが重要になります。
住宅で使用するサイズ以上のものを大きめの建築へ多用することが地球温暖化の直接的原因となっている二酸化炭素の削減につながるわけです。
選木作業を自分たちで 丹波の桧 吉野杉の梁材
■ 地域とつながる
循環型資源としての木材を多用した建築を、さらに地元の職人で建てることで地域とつながる建築にすることができます。
木造で建てるという事は、地元の職人・大工さんが建てることが可能だということです。(その為には、建築の規模が大きくなっても特殊なつくりにならないよう、構造計画に配慮する必要があります。)軽量鉄骨のように専門化されたプレハブによる建築は工業製品に近いものとなり、地元の技術・流通・文化とはつながりは薄いものとなってしまいます。どんな場所でも全く同じものが出来上がり、その場所らしさといったものは感じられません。
■ 文化がつながる
地元で長く愛され、愛情をもってメンテナンスされ使い続けられる建築は、地元の技術・職人・材料でつくられるのが自然なことだと考えます。建築にかかるコストも地元へ還元され、経済的な活性も期待できます。
木造を建てる日本の大工さんの技術は、機械化・プレハブ化の波に押されて継承の機会を失いつつあります。古来から受け継がれてきた日本建築は、湿度が高い日本の環境に適用して耐久性を有し、日本の生活と文化を支えてきました。
また、近くの山の木をダイレクトに素材として使用するという、エネルギーをあまり使わない建築方法を成り立たせる技術として完成されたものでもあるのです。つまり、木を適材適所で使用する大工技術は、技術そのものが環境に優しいのだとも言えます。
規模が大きな建築をつくる場合であっても、大工さんが請け負って建築できるものとするならば、柱・梁などの構造体の加工・組み立ては、通常の住宅建築を建てる時の手法、一般的な技術で成り立たせる必要があります。そうすることで係ることが出来る職人の幅が広がり、地元のみんなで建てることが出来るようになるからです。特殊な技術を使うことで発生する時間・労力・コスト・リスクを押さえることも可能です。
日本が誇る文化である大工技術を過去から未来へつなぐ。職人と地域に住む人をつなぐ。
そうして出来た建築が、人と人・人と場所・人とモノ・人とコトをつないでいく
そんな未来を実現してくれるであろう地域の施設木造建築に、私たちはこれからも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
Koizumi