大阪府岸和田市にて、某建設会社様の木造新社屋の工事が進んでいます。
新社屋建設にあたり、建設会社様が「次のステージへ羽ばたいていく」という目標を掲げられていました。
「次のステージへ羽ばたいていく」という目標の中には、「大型木造建築への挑戦」が含まれており、本計画の社屋も木造(2階建て・延床面積500㎡未満)となります。
用途がオフィスのため、執務室や打合せ室は無柱で広い空間の実現が必要であり、多くの梁材は長く・梁成の大きな材が必要となりました。
梁材は一般流通材よりも長い、5m・6m材が多く、集成材・成材のどちらの方がコストを落とせるか検討を行い、構造的な観点も踏まえたうえで両者を使い分けた計画としいています。
また、必要な構造材の数も多いため、植林からプレカットまでを一貫して行う山長商店さんに早い段階で相談を行い、材の準備を進めました。
構造材の多くは「現し」としています。
そのため、実際に和歌山の山長商店さんへ伺い、同じ大きさの構造材でも、どの部分にどの木材を持ってくるかを決める「木配り」を行いました。

7月の頭でしたが、連日「記録的な猛暑」とニュースで報じられていたように、暑い中大変な作業でした。
それでも、建物の完成を想像しながら1本1本の木材の表情を見て・触れて、選んでいくことは非常にやりがいがあり、「木造建築」をつくることを強く実感できます。
1本1本選んだ木材が現場へ届き、実際に大工さんたちの手によって組まれていきます。
木と木が組み合い、建物の骨格が現れ、構造的な力強さと木材のおおらかな雰囲気が感じられました。
2階床・屋根下地には、東岸和田の住宅でも用いた「Jパネル」を採用しています。
水平構面を確保すると同時に天井仕上げとしての役割も果たしています。
構造現しの箇所がほとんどのため、天井の見え方は竣工時も上棟時とあまり変わりません。

今回、規模が大きいこともあり上棟までに時間を要しましたが、無事上棟式まで迎えることができました。
猛暑の中、施工をして頂いた大工さんたちには感謝しかありません。

Kusama