岸和田市にて、建設会社・株式会社THINKA の新社屋が完成しました。
旧社名である「株式会社堀健」から、新社屋建築のタイミングに合わせて「THINKA」へと社名を刷新。「進化」「深化」「真価」といった想いを内包し、企業として新たなステージを目指す姿勢を象徴する名称です。本計画では、その理念を建築空間にも反映し、これからの企業像を体現する社屋を目指しました。
鉄骨造の倉庫や商業施設を数多く手掛けてきたTHINKAにとって、本プロジェクトは中・大規模木造建築への展開を見据えた取り組みでもあります。自社社屋を木造で建築することで、施工技術やデザイン性を体感できるショールームとしての役割を担うと同時に、働く環境そのものの質を高めることも大きなテーマとなりました。洗練された職場環境を整えることで、社員の福利厚生向上はもちろん、人材確保が重要課題となる建設業界において、リクルート面での魅力発信にもつながることを期待しています。
建物前面にはゆとりある庭を設け、木々の間を抜けながらエントランスへと導かれるアプローチを計画しました。アプローチ脇には、石庭から湧き出るような水景を設え、訪れる人を涼やかな景色で迎え入れます。
構造材には紀州産材を中心に採用しています。構造計画の初期段階から山側と情報共有を行い、床梁は9寸(270mm)・長さ5.5m、登り梁は8寸(240mm)・長さ6.0mといった必要材を半年前から整理・伝達することで、一般製材品を主体とした軸組構成を実現しました。紀州材は目詰まりが良く、指定ヤング係数を大きく上回る性能値が確認され、集成材に頼ることなく3間スパンの空間を成立させています。
本計画では、木造化そのものを目的とするのではなく、地域材の流通や供給体制までを設計条件として捉え、建築計画と構造計画を一体的に組み立てています。特殊な構造形式や高度な技術に頼ることなく、普遍的な在来工法によって成立させることで、地域ごとの木材資源を活かしながら再現可能な木造施設建築のモデルとなることを目指しました。
平面構成は、3間スパンの空間をロの字型に配置し、中央に3間角の中庭を設けています。中庭を介して、植栽の緑と自然光を執務空間へと取り込み、屋根を中庭側へ流すことで、内部へ豊かな光が降り注ぐ構成としました。中庭に置かれたアルミの水鉢には水面の揺らぎが映り込み、エントランスの水景とも呼応しています。
建物全体の断面は、中央で谷をつくるバタフライ形状としており、外部側に跳ね上がった屋根のシルエットが、未来へ向かって羽ばたこうとするTHINKAの姿勢を象徴する建築となっていれば嬉しく思います。
・・・journal | 木配り~上棟 | ・・・
・・・SWINGの国産材木造・木質化への取り組みについてはこちらをご覧ください「SWINGの木造建築」・・・
所在地:大阪府岸和田市
工事種別:新築 / 木造2階建
用途:事務所
延床面積:496.87㎡/150.30坪
防耐火設計:その他建築物(準防火地域)、内装制限なし
竣工 : 2026.5
建築設計:SWING/小泉宙生, 姉崎隆介, 草間大迪
構造設計:下山建築設計室/下山聡
照明計画:DAIKO
施工:株式会社THINKA
キッチン:oguma
造園計画:planta/清野
サイン計画:六景
写真:Stirling Elmendorf Photography (一部:SWING,下山建築設計室)










































